赤字こそが目的だ
原文は Zach Holman により に公開されました。 このブログを購読する
世間の人たちがこれをどれだけ理解していないかには本当に呆れてしまう。だから少し愚痴らせてくれ。多くの企業は、今年赤字になるように設計されているのだ。それがクソ肝心なポイントなんだよ。
今日の主役は、WNBAの選手たちがオールスターゲームでPay Us What You Owe Us(私たちに当然の対価を払え)と書かれたシャツを着たというニュースだ。SNSの頭の悪い連中はすぐさま大騒ぎし始めた。「やばい、WNBAは去年4000万ドルも赤字だったんだから、選手は昇給どころか給料ゼロが当然だろ!!111」みたいな調子でね。こういう話は至るところで見かける。最近話題になったAppleが新しいストリーミングサービスで年10億ドルを“失っている”という報道なんかもそうだ。
違う。赤字を出すことこそがクソ重要なポイントなんだ。
経済学101
もちろん、君は「赤字を出している」わけではない。やっているのは投資だ。(ああ、このセリフがミームみたいに聞こえるのはわかってる。でもちょっと聞いてくれ)お金が煙のように消えてなくなるわけじゃない。スタッフやインフラ、資材などに投資されているのだ。結局のところ、たった一つの賭けに集約される。今日、組織により多く投資すれば、明日より大きなリターンが得られるということだ。それだけだ。一般の人がどうも理解していないのは、まさにそのことだ。これで君は平均より賢くなった(世の中の現状をどう見るかによって、それはすごいことかもしれないし、相変わらず恥ずかしいレベルかもしれないが)。
もちろん、重要なのはそのたった一つの賭けの背後にある前提だ。初期の成功を、より大きな組織になっても再現できるビジネスをやっている、と仮定しているわけだ。もしそれが可能なら、考え方はシンプルだ。事業に投資すれば、より多くの金を稼げるようになる。とくにその間に事業を成長させるだけのキャッシュが十分にあれば(それが自己資金であれ、外部の投資家からの資金であれ)ね。
もちろん、そうならない理由はいくらでもある。市場が十分に大きくない(その場合は売上を拡大し続けられない)、会社の階層やプロセスが以前と同じ効率でスケールしない、競合に潰される、あるいは単に運が悪い、といった具合だ。
だからこそ、やることといえば基本的に火に油を注ぐことであるような、シリーズB以降のファンドがあれだけたくさん存在するのだ。彼らの関心の多くは、完全にユニットエコノミクスに注がれている。会社全体としては赤字でも、基本となるビジネスモデルは証明できているのか? この最もわかりやすい例がUberだ。IPOした時点で彼らは年間数十億ドルの赤字を出していた……しかし、成熟した市場では黒字化を達成していた。だからこそ、さらに資金を調達することに意味があるのはかなり明らかだった。より多くの市場を開拓するにつれて、ビジネス全体はより健全になり、そして最も重要なことに、黒字化したときの利益水準は、外部資本なしでゆっくり進んだ場合よりもはるかに高くなるのだ。そして最終的に、実際にそうなった。
タダでくれるなら誰の金でももらう
スポーツ全般は、この現象のわかりやすい例だ。だから今朝のWNBAの件であれだけ腹が立ったのだ。以前Oakland Rootsのオーナーとしての経験を通じてこのことについて書いたことがあるが、スポーツクラブというのは極めて金食い虫で、年々生き残るためだけでも膨大なリソースを必要とする。ただ、それは評価額の上昇によってかなりの部分が相殺される。
再びWNBAを例に取ろう。昨年から今年にかけてだけで、フランチャイズの評価額は平均で前年比180%成長した。(初心者のために言っておくと、1年で180%伸びるというのは、かなり“イケてる”投資だ)他にも明るい兆しはある。巨額の新たな放映権契約や、拡大するエクスパンションフィー(これはアメリカン・スポーツにおける社会主義の輝かしい実例だ)などだが、最も注目すべきはやはり評価額の上昇だ。
評価額というのは、オーナーが使いこなせる非常に強力なツールだ。高い評価額を活用する方法はいくつかある。組織のためにより多くの負債を確保する(ローンや将来キャッシュフローを担保にした融資などを通じて)こともできるし、マイノリティ持ち分を切り出すこともできる。もしチームの価値が10億ドルから20億ドルに上がったなら、新たなマイノリティオーナーを1億ドルで迎え入れるのも理にかなっているかもしれない。過半数の所有権はそのまま維持しつつ、その1億ドルを会社に戻してパイをさらに大きくするのだ(うまくいけば、売却した持ち分以上に)。
赤字でいい
外部からの資金に容易にアクセスでき、明確な成長パターンがある特定の企業にとっては、そう、赤字のままでいることは問題ない。すべての企業に当てはまるわけではないが。君の子どものレモネード屋台に4500万ドルの資本注入が必要なことはまずないだろう。よほどクソうまいなら話は別だが、その場合はぜひ1ケース送ってくれ。美味しそうだ。だが、多くのベンチャーに支えられた企業や、スポーツ組織、あるいは事業により多くの現金を注ぎ込むことでより大きく長期的な成果を得られるような企業にとっては、赤字は良いことだ。赤字を受け入れろ。そして選手たちに金を払え。
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