富裕税をモデル化する
一部の政治家が、所得税やキャピタルゲイン税に加えて富裕税の導入を提案しています。富裕税の税率をさまざまに変えた場合にどのような影響が出るのか、スタートアップの創業者にとって実際には何を意味するのかをモデル化してみましょう。
二十代で成功するスタートアップを立ち上げ、その後さらに60年生きると仮定します。富裕税によって、あなたの株式はどれだけ目減りするでしょうか。
富裕税がすべての資産に課税される場合、その影響は簡単に計算できます。富裕税が1%であれば、毎年株式の99%が手元に残ることになります。60年後には手元に残る株式の割合は0.99の60乗、すなわち0.547になります。つまり、一律1%の富裕税は、あなたの人生を通じて株式の45%を政府が持っていくことを意味します。
(もちろん、1株当たりの価値の上昇率が富裕税率を下回らない限り、株数を失っても差し引きで貧しくなるわけではありません。)
富裕税の税率ごとに、60年間で政府がどれだけの株式を持っていくことになるかを示します。
| 富裕税率 | 政府の取り分 |
| 0.1% | 6% |
| 0.5% | 26% |
| 1.0% | 45% |
| 2.0% | 70% |
| 3.0% | 84% |
| 4.0% | 91% |
| 5.0% | 95% |
富裕税には通常、課税が始まる閾値が設けられます。高い閾値を設けると、どれだけ違いが出るでしょうか。これをモデル化するには、株式の初期価値と成長率についていくつか仮定を置く必要があります。
保有する株式の当初の価値が200万ドルで、会社の成長が次のように推移すると仮定します。株式の価値は最初の2年間で3倍、次の2年間で2倍、その次の2年間で50%増加し、その後は一般的な上場企業の成長率、ここでは8%で成長します。[1] 富裕税の閾値が5000万ドルだとします。この場合、政府はどれだけの株式を持っていくでしょうか。
| 富裕税率 | 政府の取り分 |
| 0.1% | 5% |
| 0.5% | 23% |
| 1.0% | 41% |
| 2.0% | 65% |
| 3.0% | 79% |
| 4.0% | 88% |
| 5.0% | 93% |
一見すると小さな税率に見えるものが、これほど大きな影響を及ぼすのは意外に思えるかもしれません。閾値を5000万ドルとした2%の富裕税は、成功した創業者の株式の約3分の2を持っていってしまうのです。
富裕税がこれほど劇的な影響を持つ理由は、同じお金に何度も繰り返し課税されるからです。所得税は毎年発生しますが、課税されるのはその年の所得だけです。一方、ある資産を取得してから60年生きるとすれば、富裕税は同じ資産に60回課税されることになります。富裕税は複利で効いてくるのです。
注記
[1] 実際には、この8%のうち一部は最終的に配当という形で支払われ、その時点で所得税が課税されます。したがって、このモデルは創業者にとって最も楽観的なケースを示していることになります。
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