APPLE:私の成功の鍵
いえ、企業としてのAppleでも、果物のリンゴでもありません。APPLEは、Apple Storeの従業員が売り場に立つ前に必ず叩き込まれる頭字語です。そして、それは今も私を導き続けています。
APPLEとは:
- Approach customers with a personalized warm welcome — 一人ひとりのお客様に寄り添った温かい挨拶で迎える
- Probe politely to understand all the customer’s needs — 丁寧にヒアリングし、お客様のニーズを余すところなく理解する
- Present a solution for the customer to take home today — お客様が今日持ち帰れる解決策を提案する
- Listen for and resolve any issues or concerns — お客様の不安や懸念に耳を傾け、解消する
- End with a fond farewell and an invitation to return — 心のこもった挨拶で見送り、またのご来店をお誘いする
これまでに3つのサイドプロジェクトを成功させてきました。その成功の多くは、APPLEのおかげだと考えています。
最初に成功したサイドプロジェクトは安定した不労所得を生むビジネスへと成長し、後に売却してHashiCorpの自己資金としました。2つ目のサイドプロジェクトはVagrantで、何千もの企業で使われる人気のツールであり、今では私の本業になっています。3つ目のプロジェクトであるIRCRelayは、Jack Pearkesと2か月かけて週末に取り組んだプロジェクトです。2012年11月にローンチし、6週間足らずで黒字化しました。
もちろん、成功するには単なるAPPLE以上のものが必要です。しかし、APPLEがなければ前述のどのプロジェクトも失敗していたと、胸を張って言えます。
何をするにしても、お客様やユーザーを尊重すること以上に大切なことはありません。時間をかけて、温かく、丁寧に、そして親身に向き合ってください。彼らの課題に対する本物の解決策を提示するのです。さらに何か必要なら、また戻ってきてもらえるよう声をかけましょう。あなたの仕事を支援し続けてくれるかもしれませんし、そうでないかもしれません。どちらでも構いません。大切なのは、誠実で思いやりのある人であることだけです。
具体的な事例を一つご紹介しましょう。IRCRelayのサポートに実際に寄せられたメールのやり取りです。お客様の特定を避けるため匿名化しています。IRCRelayのユーザーであるBrianから、登録からわずか20分後にこんなメールが届きました。
Brianより:
ユーザー名は "brian" です。アカウントを解約してください。
この時点で、私はBrianに「ログイン後の画面に『アカウントを解約する』リンクがありますよ」と素早く返信することもできました。同じように、Apple StoreにMacBookを求めて来店したお客様に対し、スペシャリストがMacBookを指さして「あちらです」と言うこともできるでしょう。でも、彼らはそうしません。私も同様に、「アカウントを解約する」リンクを示すのではなく、こう返信しました。
Mitchellより:
Brianさん、
承知しました。アカウントは削除いたしましたのでご安心ください。ご請求が発生することもありません。
また、IRCRelayをお試しいただき誠にありがとうございます。もし差し支えなければ、サービスについてご不満だった点を教えていただけますか?
Approach(迎える)とProbe(ヒアリングする)の実践です。Brianから返信がありました。
Brianより:
ありがとうございます!こんなに簡単に対応してもらえて感謝します。IRCのニックネームで困っていました。接続するたびに "brian" ではなく "brian_" になってしまうのです。最初は古いクライアントですでにIRCに接続していたので、そちらを切断しました。でもニックネームが "brian" に戻らなかったのです。サポートに問い合わせるのは少し面倒だったので、諦めてしまいました。
私はPresent(解決策を提案する)を実践して、こう返信しました。
Mitchellより:
Brianさん、
システムに改修を加え、接続時に希望のニックネームが取得できなかった場合でも、自動で再取得を試みるようにしました。これで今後、同じ問題に悩むユーザーはいなくなるはずです。ご指摘いただき本当にありがとうございます。
もしまたIRCRelayをお試しいただける機会がありましたら、今回ご指摘いただいたお礼として、30日間の無料トライアルに加えて1か月分を無料でご提供いたします。何かお困りのことがございましたら、どうぞ遠慮なく私まで直接ご連絡ください。
ここで重要なのは、Apple Storeでの「解決策」とは、単にお客様の問題を解決するものではなく、お客様の問題を最も適切に解決するものでなければならない、ということです。
私はBrianに対して、/nickコマンドでニックネームを変更できることを教えるだけでもよかったかもしれません。あるいは、彼のIRCRelayアカウントだけ個別に対応することもできました。しかし、最も良い解決策は、そもそも問題が起きないようにシステムを実装して展開することだと明らかでした。
この解決策には余分な時間と労力がかかりましたし、Brianが再登録してくれるかどうかもわかりません。でも、それは問題ではありません。正しいことでしたし、私は一人ひとりのお客様にとって体験を最高のものにしたいと心から思っています。
メールの最後では、End(心を込めて見送る)を実践し、温かい挨拶とともに、何かあればまた連絡してほしいとお伝えしました。Brianはまだ再登録していませんが、きっといつか戻ってきてくれると信じています。
ほんの少しのAPPLEが、大きな違いを生みます。
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