TinyPilot:32か月目
1行まとめ
TinyPilotを始めてから最長の休暇を取った
初めて読む方へ
こんにちは、Michaelです。ソフトウェア開発者であり、独立系コンピューターハードウェア企業TinyPilotの創業者です。2020年にこの会社を始め、現在は月間6万〜8万ドルの売上があり、私以外に6人を雇用しています。
毎月、このような振り返り記事を公開し、事業や仕事全般がどう進んでいるかを共有しています。
ハイライト
- 2週間国外に滞在しましたが、TinyPilotは私がいなくても順調に回りました。
- TinyPilotのオフィスで水道管が破裂し、一歩間違えば大惨事になるところでした。
- 目の前の仕事と先回りして進める仕事の、ちょうどよいバランスを探しています。
目標の評価
毎月の初めに、その月に達成したいことを宣言しています。目標に対する結果は次のとおりです。
すぐに発送できるTinyPilotデバイスの在庫を、通常の水準に戻す。
- 結果:まだ、望んでいるほどの在庫を確保できていません。
- 評価:C
フルフィルメントチームに影響する予想外の出来事がいくつもあり、在庫はまだ不足しています。立て直しが済むまで、価格を引き上げ、広告費を大幅に削減しました。
新しい3PL業者への移行手続きを始める。
- 結果:新しい3PL業者と契約を結び、最初の出荷に向けて準備しています。
- 評価:A
この新しい3PLには期待しています。フルフィルメントを外部業者に引き渡せば、チームへの負担が軽くなり、より速く事業を拡大するための他の分野に投資する余裕が生まれるはずです。
開発チームとサポートエンジニアのチーム間協業を始める。
- 結果:TinyPilotで初めて、開発チームとサポートエンジニアによる合同ミーティングを開催しました。
- 評価:A
開発チームとサポートエンジニアが協力できる仕事はありますが、両チームが対面で会えるまで先送りしていました。初めて合同ミーティングを開き、これで両チームが直接協力して仕事を始める準備が整いました。
TinyPilotの統計
| 指標 | 2023年1月 | 2023年2月 | 変化 |
|---|---|---|---|
| ユニークビジター数 | 8,092 | 12,141 | +4,049(+50%) |
| 総ページビュー数 | 16,665 | 23,117 | +6,452(+39%) |
| 製品売上 | $66,420.52 | $72,585.15 | +$6,164.63(+9%) |
| エンタープライズ契約 | $290.70 | $290.70 | 0 |
| ロイヤリティ | $5,689.93 | $3,935.73 | -$1,754.20(-31%) |
| 総売上 | $72,401.15 | $76,811.58 | +$4,410.43(+6%) |
| 利益 | $8,552.79 | $32,905.55 | +$24,352.76(+285%) |
販売を抑えようとしているのに売上が伸びているという、奇妙な状況です。フルフィルメントチームには、他の業務に加えてさらに注文を処理するだけの時間がありません。口コミがいつも売上を押し上げているだけかもしれませんし、ここ数か月で追加した機能によって購入する顧客が増えたのかもしれません。
フルフィルメントを3PL業者に移せば、月間売上は9万ドルに届く可能性があると考えています。現在はフルフィルメント能力に制限されていますが、3PLへの移行が済めば、そのボトルネックはなくなります。
利益がプラスになった月が、これで7か月連続になりました(利益には波があるので、正確には直近3か月の平均です)。このペースなら、2023年に10万ドルの利益を上げるという目標は、余裕を持って達成できそうです。
「TinyPilotの人ですか?」
先月のある土曜日の午後、自宅の仕事部屋にいると、玄関をノックする音が聞こえました。パジャマ姿で出てみると、玄関先に40代半ばくらいの男性が立っていました。「TinyPilotの人ですか?」と彼は尋ねました。
まずい。TinyPilotについて尋ねるために、いったい誰が突然うちに来たんだ?
私を探し出して殴りに来るきっかけになりそうな、最近の顧客とのやり取りを思い出そうとしました。心当たりはありませんでした。
「はい……」と、警戒しながら答えました。謎の訪問者は、TinyPilotが入っているビルの便利屋だと説明しました。私の電話番号は知らなかったものの、自宅の住所を調べることはできたそうです。
「オフィスで水道管が破裂して、あなたの区画に入れません。来てもらえますか?」
どう考えても、よい話ではありません。
私は彼の車に続いてTinyPilotのオフィスへ向かいながら、在庫の100%が水浸しになった場合に会社が生き残れるかを頭の中で計算していました。保険金を受け取れたとしても、製造にかかるリードタイムのせいで、何か月も営業停止になるでしょう。
私たちのフロアに着くと、TinyPilotに隣接する会議室でスプリンクラーが作動したことがわかりました。TinyPilotのオフィスの鍵を開け、ほっと息をつきました。私たちの区画には、まったく水が入っていませんでした。

TinyPilotの隣のオフィスで水道管が破裂し、中にあったものがすべて壊れました。
建物のスプリンクラーが使えなくなったため、消防署の確認が終わるまで数日間は区画に入れないと言われました。月曜日に大家へ電話すると、通常どおりオフィスを使ってよいとのことでした。
これで終わったと思いました。ところが数日後、フルフィルメントチームのメンバーから、引っ越すのかと聞かれました。「いや……どうして?」と尋ねると、「ああ、便利屋が、引っ越さなきゃいけないかもしれないと何気なく言っていました」とのことでした。
まずい。
何が起きているのか確認するため、大家に電話しました。すると大家は、実にあっさりと、火曜日までに新しいオフィスへ移らなければならない可能性があると言いました。ちなみに、その会話をしていたのは金曜日です。
大家の説明では、水による損傷のため、業者が壁の一つを交換しなければならないかもしれないとのことでした。でも心配はいらない、使える予備のオフィスがあるそうです。その新しいオフィスは現在のオフィスより40%狭く、現在のオフィスもすでに収容能力の80%まで使っていたので、楽しい話ではありません。狭いオフィスを使う期間を尋ねると、彼にもわかりませんでした。
その後数日間、大家は、数日後に完全な移転を迫られるかもしれないという話を、かなり軽く受け止めているようでした。しかも私はまもなく2週間のヨーロッパ旅行に出発するところで、新しいオフィスのITインフラを整備するために現地にいることができません。
旅行に出るまで毎日、壁についての計画はどうなっているのか大家に電話で尋ねましたが、大家は一度も答えを出してくれませんでした。そこで、予備のオフィスにはコンピューター、プリンター、ネットワーク機器だけを移すことにしました。私がいない間に問題になりそうなのは、その部分だけだったからです。
1週間後、壁は残せるため、引っ越す必要はないという連絡がありました。フルフィルメントチームは作業をおよそ1日失い、私は不測の事態への対応計画にさらに2日を費やしました。とはいえ、不確実な状況にはかなりストレスを感じました。
この一件は、フルフィルメントを新しい3PLへ移行する強い動機にもなりました。オフィスで何か問題が起きたせいで、フルフィルメントが完全に止まってしまうような立場からは、ぜひ抜け出したいと思っています。3PLの倉庫で水道管が破裂する可能性はありますが、その場合でも、業務を再開するために物を移動させるのは別の誰かの問題になります。
TinyPilotを始めてから最長の休暇
2月、TinyPilotを始めて以来、最も長い休暇を取りました。ヨーロッパを2週間と少し旅行したのです。
旅は、ドイツのテュービンゲンで出席した結婚式から始まりました。この間、仕事のメールはまったく確認しませんでした。

ドイツ・テュービンゲンの市庁舎で結婚式に出席
TinyPilotで一緒に働いている人の多くはヨーロッパに住んでいるため、その後さらに1週間滞在して、私はこれを「TinyPilotヨーロッパツアー」と呼びました。日程は次のとおりです。
- ドイツのカールスルーエに2泊し、TinyPilotの欧州販売代理店punkt.deを訪問
- ドイツのベルリンに2泊し、TinyPilotの開発者の一人を訪問
- イギリスのロンドンに2泊し、TinyPilotのサポートエンジニア2人を訪問
今回の旅行は、私がいなくてもTinyPilotが機能するかを試す機会でした。結果はおおむね順調でした。注文は予定どおり発送され、ユーザーには通常どおりサポートを提供できました。
TinyPilotのメールをまったく確認しなかった期間としては、これまでの最長が5日間でした。今回は11日間に加え、その後さらに1週間、インターネット接続が安定しない旅を続けました。
現地スタッフの場合
フルフィルメントチームは注文にしっかり対応していましたが、ほぼ限界に近い状態で働いていました。組み立てに30%長くかかるVoyager 2aへの切り替えにも、まだ追いついている途中です。今回初めて、ユーザーが古いデバイスを下取りに出すと割引を受けられるようにしたため、フルフィルメントチームの負荷も増えました。オフィスの一件も、もちろん状況を悪化させました。
つまり、フルフィルメントは問題なく進みましたが、望んでいたほどの余裕はありませんでした。誰かが数日間病欠していたら、かなり苦戦していたでしょう。
今回の経験も、フルフィルメントを3PLへ移行する強い動機になりました。第三者業者にフルフィルメントを任せれば、自分たちで対応しなければならない時間制約のある作業が大幅に減るため、短期的な負荷や欠勤にも強くなります。
サポートエンジニアチームの場合
TinyPilotのテクニカルサポートチームは、私がいなくても問題なく機能しました。通常の運用では、サポートエンジニアは問題を私にエスカレーションできます。私が対応できない状況でも、彼らは自力で問題を処理し、ユーザーには質の高いサポートを提供できました。
ただし、テクニカルな質問に答えられる人が誰もいない時間帯があり、サポートエンジニアチームにも一種の「障害」が発生しました。サポートエンジニアの一人は、私の休暇中の2日間に休みを取る予定でした。その同じ期間に、最後に残ったエンジニアが病気になったのです。
この規模のチームで、こうした障害を防ぐためにできることはあまりないと思います。起きる可能性は低いものの、3人が同時に休みを取ることはありえます。
チームはこの障害を申し訳なく思っていました。そこで得られた最も実行しやすい教訓は、このような障害への対応は私の問題であって、彼らの問題ではないという期待値を明確にすることでした。顧客をテクニカルサポートなしの状態にしたくはありませんが、チームメンバーが休暇中や病気のときに働かなければならないと感じないよう、休む時間を尊重することのほうが私にとって重要です。
開発チームの場合
私が旅行中も、開発チームはスムーズに仕事を進めていました。私の判断待ちで止まっていた小さな作業はいくつかありましたが、チームは製品ロードマップを十分に理解していたため、私がいなくても前に進めました。
ここ数年、開発チームにより多くの自主性と責任を持ってもらうよう努めてきました。その成果として、私が不在でもチームの進みがほとんど鈍らなかったことをうれしく思いました。
チームの先回りした仕事が創業者の目の前の仕事を生む
ここ数か月、TinyPilotにおける目の前の仕事と先回りした仕事のバランスについて、ずっと考えていました。
サポートチケットへの回答は、目の前の仕事のよい例です。時間的な緊急性はありますが、そのメールを送ってきた一人のユーザーを助けるだけなので、影響は小さい仕事です。一方、先回りした仕事とは、ユーザーが問題を解決するためにサポートチケットを起票しなくても済むよう、製品を修正したりドキュメントを改善したりすることです。
最近まで気づいていなかったのですが、従業員が先回りして進める仕事は、たいてい私にとって目の前の仕事になります。たとえば、サポートエンジニアが新しいチュートリアルを書くのは有益な先回りの仕事ですが、それをレビューするのは私にとって目の前の仕事です。
ドキュメントのレビューには時間的な制約があります。執筆者の頭の中にまだ内容が新鮮に残っているうちに、フィードバックを返したいからです。また、同じ文章を自分で書くよりも、他人の文章にコメントするほうが精神的に負荷が高いと感じます。他人の文章にある微妙な問題に気づくと、それを特定して言葉にするのに苦労します。
ここ数か月、チームの先回りした作業におけるボトルネックは、ますます私になっています。私が邪魔をせず、チームが自分たちの書き方で書けるようにすべきか、自問し続けています。でも、答えはいつも「いや」です。私たちはドキュメントを非常に重視しており、内容に一貫性を保つことが重要だからです。
開発チームでも、似たような過程を経験しました。最初のころは、コード変更をすべて私がレビューしていました。5か月ほど経ったころ、コード変更にはピアレビューを導入し、今ではソフトウェア開発の大半で、私はクリティカルパスから外れています。
サポートエンジニアチームでも、同じように進められることを期待しています。私が求める文体で書けるようになるには長い学習曲線がありますが、そこに投資し続ければ、チームメイトもその文体を身につけ、チーム内で互いの文章をピアレビューできるようになるでしょう。
今回の教訓は、仕事を委任するときでさえ、自分の処理能力を考慮する必要があるということです。委任した仕事の中には、私がレビューするのに大きな労力を要するものがあります。仕事が完了したときに質の高いレビューをする時間があるかどうかも、あらかじめ考えておかなければなりません。
まとめ
何ができたか
- 2週間の個人旅行兼出張をしました。
- 新しい3PL業者と契約を結びました。
- 音声ストリーミングを追加したTinyPilot Pro 2.5.3をリリースしました。
学んだこと
- 仕事を割り当てるときは、レビューにどれだけ自分の時間が必要になるかを考える。
- 最初の作業を自分なしで進められる場合でも、レビューに多くの労力が必要な仕事があります。
来月の目標
- 取扱量の少ない製品のフルフィルメントを、新しい3PLへ移行する。
- NERD Summit 2023で講演する。
- フルフィルメントチームの負荷を減らし、目の前の作業がチームの時間の80%未満になるようにする。
助けを求めています
今月は、読者に助けてほしいことを告知する新しい試みを始めます。このブログの読者で、私が探している条件に合う人を紹介できる方は、メールしてください。
製造を中国へ移すプロセスを検討する中で、経験のない分野がいくつも関わる、予想以上に大きな取り組みであることがわかってきました。
月500〜5,000台規模で電子機器を製造した経験のある方をご存じなら、ぜひお話ししたいと思っています。共同創業者を迎えること、コンサルタントを雇うこと、あるいは専門知識を共有してくれる方と気軽に話すことのいずれにも前向きです。
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