TinyPilot: Month 25

Michael Lynch

TinyPilot:25ヶ月目

原文は Michael Lynch により に公開されました。 このブログを購読する

一言でまとめると

ブログ記事は、たとえ成功したとしても書く価値はあるのだろうか?

ハイライト

  • TinyPilotのウェブサイトをリデザインした話についてのブログ記事が、歴代2位の人気記事になった
  • ブログにより多くの知識を残す方法を模索している
  • 在庫削減のためTinyPilotの価格を引き下げた

目標の自己採点

毎月初めに、その月に達成したいことを宣言している。目標に対する結果は次のとおりだ。

TinyPilotのライセンス管理計画を固める

  • 結果:進展なし
  • 評価:F

次世代アップデートシステムへの移行に想定以上に時間がかかり、結局この件には手をつけられなかった。

TinyPilot Communityを次世代アップデートシステムへ移行する

  • 結果:もう少しで完了だが、まだ切り替えには至っていない
  • 評価:C

アップデートシステムの刷新は、あと数日で終わりそうに見えてはまた修正点が見つかる、という繰り返しだ。時間はかかっているが、それだけ旧システムが複雑だったということだと思う。新しいシステムは保守性が格段に向上するはずで、期待している。

TinyPilotウェブサイトのリデザインについてのブログ記事を公開する

振り返りで散々書いてきたので簡単に書けると思っていたが、完成まで2ヶ月ほどかかった。予想外の大きな反響があり、公開初週で15万7千人のユニーク読者を集めた。その後もさまざまなチャネルで拡散し、デザイン系のニュースレターなどで紹介されることで、今も新たな読者を呼び込み続けている。

TinyPilotの統計

指標2022年6月2022年7月増減
ユニーク訪問者数10,05621,242+11,186 (+111%)
総ページビュー数18,76433,578+14,814 (+79%)
販売収益$65,597.73$56,954.66-$8,643.07 (-13%)
エンタープライズサブスクリプション$47.75$290.70+$242.95 (+509%)
ロイヤリティ$1,710.27$2,513.71+$803.44 (+47%)
総収益$67,355.75$59,759.07-$7,596.68 (-11%)
利益-$4,230.17-$12,349.21-$8,119.04 (192%)

ウェブサイトのリデザイン後も販売は好調だ。13%減に見えるが、ほぼ単一の注文が原因だ。6月に大口企業から4,200ドルの複雑なカスタム注文があり、発送の翌日にキャンセルされた。つまり2ヶ月間の差額のうち8,400ドル分は、6月に売上が計上され、7月に返金されたことによるものだ。

とはいえこの赤字幅には参った。毎月「もう大きな一時費用は出ないだろう」と思うのだが、必ず何か利益を食いつぶす出費が出てくる。今月はチップ不足に対応するためのハードウェア再設計に1万7千ドル、さらに1年前に完了した作業の請求を先延ばしにしていた旧ベンダーからの1万ドルの請求書が重なった。

リデザイン後悔ブログの反響

「I Regret My $46k Website Redesign」は歴代2位の人気記事となり、公開初週で15万7千人のユニーク読者を獲得した。7月のHacker Newsでは2番目にアップボートされた投稿となり、/r/web_design/r/programmingの両サブレディットでもトップに立った。これより読まれた記事は、38万9千人の読者を集めた「Why I Quit Google to Work for Myself」だけだ。

Plausibleでのブログ記事への訪問者グラフ。15万7千ユニーク訪問者、19万7千総ページビュー、直帰率87%、滞在時間34分19秒を示す

「I Regret My $46k Website Redesign」は公開初週で15万7千人のユニーク読者を集め、歴代2位の人気記事となった。

公開の翌日には、Jonathan Stark氏からポッドキャスト「Ditching Hourly」にゲスト出演しないかと誘われた。Jonathan氏はこの失敗の元凶は時間単価制が生む悪いインセンティブにあると考えていたが、私は丁重に異を唱えた。なかなか面白い議論になったと思う。

なぜこれほど読まれたのか?

正直、これほど注目されるとは思っていなかった。

どの記事も滑る可能性はあるが、この記事は特に失敗のリスクが高いと思っていた。いくつも不利な要因があったのだ。

  • 約4,100語、推定20分の長文で、普段の記事のほぼ2倍の長さだった。
  • Hacker News向きではあるが、他で受ける自信はなかった。
  • ウェブ制作会社に4万6千ドルを払うという経験は、ほとんどの人にとって馴染みがない。
  • もしHacker NewsやRedditといったソーシャルプラットフォームで伸びなければ、誰も「website redesign regret」などと検索しないため、Google経由で見つけてもらえる可能性もほぼなかった。

成功してみて、逆に重要な強みを見落としていたことに気づいた。

第一に、これはストーリーであり、人はストーリーが大好きだ。私のヒットした記事の多くはストーリー仕立てだ。テーマ自体にあまり興味がなくても、人間的な要素に共感できれば読者は最後まで読んでくれる。

次に、思っていたよりも共感しやすかったということだ。デザイナーを雇う人はごく一部だが、デザインについて意見を持っている人はほぼ全員だ。しかも私はデザインについてほぼ何も知らないので、専門用語や学術的な言い回しで誰かを遠ざけることもなかった。制作会社にいいようにやられたという感覚に共感した人も多かったのかもしれない。そうした経験は、制作会社を雇うという特定の経験よりずっとありふれている。

最後に、くだらないことに大金をドブに捨てる話は、やはり人の心を掴む。得をするにせよ損をするにせよ、お金、しかも比較的大きな金額の話は面白がられる。

なぜ制作会社を名指しで批判しなかったのか?

最も多く寄せられた反応の一つが、なぜ仮名でぼかさずに制作会社を名指ししなかったのか、というものだった。

匿名にした当初考えていた理由はいくつかある。

  • 目的は経験から学ぶことであり、すべてを制作会社のせいにしてもあまり学びにはならない。
  • 相手に反論され、誰が悪いかを巡って公開の応酬になるのも避けたかった。
  • 一方的な私の話を根拠に、読者が制作会社に嫌がらせをするのも望まなかった。

だがこの振り返りを書いていて、どれも本当の理由ではないと気づいた。過去には同じ理由が当てはまるはずのケースでも、私は企業を名指しで批判してきた。

  • Stripeが顧客について過剰なデータを収集していると告発したこともある。
  • あるケトブレッドの会社がアフィリエイトへの支払いを不当に抑えていると批判したこともある。
  • ある暗号資産の会社が顧客を危険にさらし、全般的に無能だと批判したこともある。

本当の理由は、もっと個人的なものだったのだと思う。この制作会社の人たちとは8ヶ月間一緒に働き、頻繁に顔を合わせて話してきた。そんな相手を振り返ってブログで悪者扱いするのは、あまりに冷たいことのように感じられたのだ。

もし制作会社の落ち度がもっと目に余るものだったら、喜んで名指ししていただろう。例えばウェブサイトにバックドアや暗号資産マイナーを仕込もうとした、といったことなら話は別だ。だがHanlonの剃刀を当てはめるなら、今回は悪意というよりマネジメントの拙さが原因だと思うので、公開で吊し上げるほどのことではないと感じた。

この手のブログ記事を書く価値はあるのか?

TinyPilotを始めて以来、執筆量は大幅に減った。去年の大半は、TinyPilotの重要な仕事をこなすだけで1日が手一杯で、毎日1時間をブログに割く余裕はなかった。

3月にようやく再び時間ができたので、TinyPilotに関連するトピックに絞って書き始めた。では、それは割に合うのだろうか?

新しいブログ記事はTinyPilotのウェブサイトに人を呼び込むのに成功している。2022年の訪問者解析を見ると、TinyPilot関連の記事を公開したタイミングではっきりとスパイクがある。

2022年のGoogle Analyticsのスクリーンショット。直近2本のブログ記事公開と連動した訪問数のスパイクを示す

ただ、訪問者がみな有料顧客になるわけではない。特にウェブサイトのリデザインについての記事のように、訪問者の多くは単にサイトに興味を持っただけで、製品自体には関心がない。

販売データを見ると、ブログ記事と購入増の相関はそこまで強くない。

2022年のGoogle Analyticsのスクリーンショット。直近2本のブログ記事公開と連動した訪問数のスパイクを示す

:最初のブログ記事直後の売上スパイクは、実際より誇張されている。キャンセルされた大口注文が含まれているためだ。Shopifyの解析のバグで、この注文はグラフ上で二重にカウントされている。したがって実際のスパイクは8,400ドル低いはずだ。

ではこの手のブログ記事は投資に見合うのか、という問いに戻ると、私の答えはイエスだが、強い根拠があるわけではない。

私はブログを書くのが好きだし、忙しすぎて書けないという感覚が大嫌いだ。記事が直接TinyPilotの売上につながることを証明はできないが、認知度という点では長期的にプラスになっていると思う。私のような製品が存在すること自体を知らなかった人たちに、記事を通じてTinyPilotを知ってもらえていると信じている。

ツイートを減らし、ブログをもっと書く

先月Twitterで、Josh Pitzalis氏から私が以前書いたprogrammatic SEOについて質問された。

地元のコメディサイトでprogrammatic SEOを使ってページを生成したことは覚えていたが、彼が何について話しているのかわからなかった。何か書いたようなおぼろげな記憶はあったが、ブログには何も見つからなかった。

数時間後、Josh氏が彼が覚えていたものを自力で見つけてきた。すっかり忘れていたTwitterスレッドだった。

あのやり取り以来、他のプラットフォームではなく、もっとブログに書くにはどうすればいいかを考えてきた。Twitterはそもそも一過性であるように設計されているので、知識を残す媒体としては特に不向きだ。自分が何を投稿したかも忘れるし、過去の投稿を検索するのも遅くて面倒だ。

ブログを始めた当初は、チュートリアルがあればいいのにと思うような技術的な問題に何度も直面したので、自分で書くことにした。やがて、解決策そのものよりも、私が試行錯誤して解決に至るまでのストーリーに読者がより反応することに気づいた。例えば、植物への自動水やりロボットを作った記事は初期の人気記事の一つだが、それは技術的な詳細よりもストーリーを重視したからだ。

文体を変えたことでより多くの人に読まれる記事が書けるようになったが、一方で、自分が苦労して見つけた解決策を共有する適切な場所がないという元の問題が再び残った。そこで、幅広い読者を集めることを目的とせず、単に役立つ知識を共有する場としての記事を試している。

「知識を残す」スタイルへの回帰の第一弾として、先週「Back Up Encrypted ZFS Data without Unlocking It」という記事を公開した。どこでもあまり話題にはならなかったが、(確かにニッチではあるが)「back up encrypted zfs data」という検索クエリで今やGoogleのトップに表示される。

『back up encrypted zfs data』でGoogle検索した際に私の記事が1位に表示されているスクリーンショット

ログによると執筆には6時間弱かかったが、投資対効果は良かったと感じている。書くことでZFSの仕組みへの理解が深まったし、誰も読まなくても自分にとって有用なリファレンスになるだろう。

ブログにより多くのコンテンツを残そうとはしているが、中にはTwitterの方が向いているものもあると感じている。ここ2週間、なぜPicoShareがメモリの少ない環境でクラッシュし続けるのかを調べ、その進捗をツイートしてきた

スレッドは好評のようで、たくさんの有益なアドバイスをもらい、1人でやるよりずっと早く問題を特定できた。これこそTwitterに理想的なコンテンツだ。完成した成果ではなく、進行中の過程をリアルタイムで共有しているのだから。

TinyPilotの価格を再び試す

7月、今年初めてTinyPilot製品の値下げを行った。

長い間、私は逆の方向に動いてきた。つまり、人々が高すぎると感じ始める上限を探るために、じわじわと値上げしてきたのだ。値上げのたびに「この値段では誰も買わないだろう、馬鹿げている」と思ったが、収益は横ばいかむしろ増加したように見えた。値上げしても収益が横ばいなら、それでも勝ちだ。単価の高い少数の顧客をサポートする方が楽なのだから。

価格を高止まりさせていたもう一つの要因は、新しいデバイスを製造できなかったことだ。Voyager 2にはハードウェア設計パートナーが設計したカスタムPCBが必要だ。最初に900台を製造したが、その後は部品不足で追加生産ができなかった。ハードウェアエンジニアがPCBを再設計する必要があったので、在庫を引き延ばすために値上げしたのだ。

幸い、ハードウェアエンジニアたちはギリギリのタイミングでPCBを再設計し、新たなロットを製造してくれた。在庫は残り6台まで減っていたのだ。少なくとも数ヶ月は、製造能力による制約はなくなるはずだ。

今は原材料の在庫が積み上がっているので、棚で場所を取る在庫に会社の資産を縛り付けておくより、売ってしまいたい。販売ペースが上がるかどうか試すために値下げした。

製品旧価格新価格値下げ幅
Voyager 2 Standard$389$349-$40 (-11%)
Voyager 2 PoE$448$398-$50 (-11%)

理論上、値下げすれば売上は伸びるはずだが、こういうことは予測が難しい。349ドルで買う人なら389ドルでも買ったかもしれない。その場合は1件あたり40ドルをみすみす手放していることになる。月末までには影響がよりはっきりするだろう。

PoE版と非PoE版の販売比率にどう影響するかも気になるところだ。従来は非PoE版がPoE版の2倍売れていたが、価格改定後の短期間では比率が1:1に近づいている。この傾向が続くかどうか見守りたい。

まとめ

何ができたか?

学んだこと

  • 人は予想外の部分に共感することがある
  • Twitterは短期的な満足感はあるが、知識をブログに残す方が長期的な価値が高い

来月の目標

  • TinyPilot CommunityとTinyPilot Proを次世代アップデートシステムへ移行する
  • TinyPilotのライセンス管理計画を固める
  • TinyPilot Voyagerを2名のYouTuberまたはブロガーにレビュー用に提供する

この記事は「muse-spark-1.2-contributor」を使用して翻訳されました。

コメント