TinyPilot:3ヶ月目
原文は Michael Lynch により に公開されました。 このブログを購読する
一行サマリー
ゼロから物理的なプロダクトの製造を急いだ1ヶ月。
ハイライト
- TinyPilotはマーケティングなしで3,800ドルの収益を上げた。
- ゼロの状態から26日間で完全なカスタム製造プロダクトを作り上げた。
- 在庫管理には今も苦戦している。
目標の達成度
毎月のはじめに、達成したいことを宣言している。目標に対してどれだけできたかは次のとおりだ。
TinyPilotキットと電源コネクタを60個販売する
- 結果:29個のキットと電源コネクタを販売した。
- 評価:C+
足かせとなったのは電源コネクタの製造だった。需要に追いつくだけの数を生産できなかった。作った分はすべて売れたが、作るスピードが追いつかなかった。
この29件の販売が一切の営業・マーケティングなしで発生したことは、少し誇りに思っている。
新しいマーケティングチャネルを3つ試す
- 結果:0チャネルを試した。
- 評価:F
在庫があまりにも少なかったため、マーケティング施策は延期することにした。売るものがないのに広告に投資しても意味がない。
7人のITプロフェッショナルにインタビューし、仕事でTinyPilotを使うか聞く
- 結果:2人のITプロフェッショナルにリモート管理についてインタビューした。
- 評価:C-
これは大きな失敗だった。在庫不足はマーケティングを先送りする正当な理由にはなったが、空いた時間にこそ顧客リサーチの優先度を上げるべきだった。
ただ、2件の会話自体は前向きなものだった。ロブ・フィッツパトリックの戦略に倣い、プロダクトを売り込むのではなく情報を集めることに徹した。2人とも低コストなKVM over IPというアイデアに興味を示し、デモできるプロダクトができたら参加したいと言ってくれた。
統計
TinyPilot
| 指標 | 2020年8月 | 2020年9月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ユニークビジター | 2,284 | 1,741 | -543 (-24%) |
| 合計ページビュー | 6,136 | 7,057 | +921 (+15%) |
| 販売収益 | $2,951.40 | $3,636.03* | +$684.63 (+23%) |
| 寄付 | $94.06 | $187.40 | +$93.34 (+99%) |
| 合計収益 | $3,045.46 | $3,817.99 | +$772.53 (+25%) |
* 「販売収益」の数え方を少し変えた。以前は税金や送料込みの入金額をすべて合計していたが、今月は注文の45%が海外からで送料の占める割合が大きくなったため、9月からは「販売収益」に税金と送料を含めないことにした。
売上は少し伸びているが、8月と9月の大半で在庫がバックオーダー扱いだったため、データには多少ノイズがある。訪問者数は減少しているが、広告もサイトの新規コンテンツもなかったことを考えれば当然だろう。
電源コネクタの製造:最初から最後まで
先月、TinyPilotへの給電方法が間違っていたことに気づき、問題を修正できるまで販売を一時停止した。修正には、一からまったく新しい回路基板を製造し、同時に基板用のプラスチック筐体を3Dプリントする必要があった。どちらも経験はゼロだったが、量産できるようになるまで販売が凍結されるため、急いで新しい部品が必要だった。
そのプロセスを最初から最後まで追うと、こんな感じだった:
1日目
エンジニアリング会社が電源コネクタ用の回路基板の作業を開始した。
比較的シンプルな基板だったため、その日のうちに設計を終え、中国に100枚のプリント基板を発注できた。
2日目
3Dプリントのラボに連絡し、電源基板用のケースの設計を依頼した。数時間以内に、ケース設計の作業中イメージが送られてきた。

TinyPilot電源コネクタ用3Dプリントケースの初期ドラフト
5日目
3Dプリントラボが設計を完成させ、試作用ケースを数個プリントする準備を整えた。




8日目
エンジニアリング会社が海外の製造元からベア基板(むき出しのPCB)を受け取った。

TinyPilot電源コネクタ用のPCBの最初のバッチ
この時点では、基板に電気回路は組み込まれているが、エンジニアリング会社はまだ部品、特にUSBポートを取り付ける必要がある。
同じ日、3Dプリントラボが最初の2つのケースを製作した。ケースを受け取った私はすぐにエンジニアリング会社へ一晩で送り、基板を組み立てた後すぐにケースのフィット感をテストできるようにした。
9日目
エンジニアリング会社から、ケースは基板にフィットしたとの報告があった。唯一気になったのは、microUSBポート周りに大きな隙間があることだった。


ケースを基板に組み付けた最初の試み。microUSBポート周りの小さな隙間を除けば、フィット感は完璧だった。
大きな隙間は意図的なものだった。私が緊急性を強調したため、3Dプリントラボはケースがプラグの邪魔にならないよう、あえて穴を広めにしていた。私のUSBケーブルならもっと小さな開口でも入ることを確認してから、ラボは開口部を狭めるよう設計を修正した。
10日目
エンジニアリング会社が自動化プロセスを本格稼働させる前に手はんだで組み立てた、最初の2つの基板プロトタイプを受け取った。
TinyPilotの動作を確認すると、成功!
Raspberry Piに十分な電力が供給されているか確認する。
$ sudo journalctl -xe | grep "Under-voltage"
$成功!低電圧(Under-voltage)警告はなし。
チップが正常に動いて心底ほっとした。
13日目
3Dプリントショップが30個のケースの最初のバッチをプリントした。microUSBポート周りにはまだ少し隙間があるが、まったく問題になるレベルではない。

TinyPilot電源コネクタ用に完成した基板の最初のバッチ
19日目
エンジニアリング会社から、完成した24枚のパネルになった最初の基板を受け取った。

TinyPilot電源コネクタ用に完成した基板の最初のバッチ
製造プロセスはまだ改善途上だったため、エンジニアたちは自動化と手作業の修正を組み合わせてこれらを製造した。
20日目
3Dプリンターが残り70個のケースを完成させた。その中には、黒く染色しレーザー刻印で下地の白を浮かび上がらせた実験的なケースも含まれていた。

3Dプリントデザイナーが送ってきた実験的な黒いケース。
この新しいデザインがとても気に入ったので、今後の生産はすべて黒いケースに切り替えた。
21日目
完成した電源コネクタの最初の出荷を開始した。
26日目
電気エンジニアたちから残り74枚の完成した基板を受け取った。ケースと基板がそれぞれ100個揃い、最初の生産ロットが完了した。
コスト
- 基板: $2,897.70
- 設計: $241.72
- 材料費: $422.16
- 組み立て、テスト、梱包: $2,579.04
- 送料: $76.95
- ケース: $500.00
- 合計: $3,297.64
合計コストは当初の1ユニットあたり13ドルという見積もりを大幅に上回ったが、1ユニットあたり33ドルでも初回ロットとしては十分許容範囲だ。
最も大きなコストは、組み立て時の電気エンジニアの人件費だった。少量かつ急ぎの生産ロットだったため、エンジニアたちは迅速さを優先して多くの工程を手作業で行った。
長期的には、高度な訓練を受けた電気エンジニアに手作業で基板を製造させるのは明らかに非効率だ。在庫に少し余裕ができた今、製造プロセスの自動化や外注化を含めたコスト最適化を検討しているところだ。
対照的に、3Dプリントの費用は驚くほど安く済んだ。私の住む州には、州内で法人化された小規模事業者向けに州立大学を通じた3Dプリント費用の75%を補助する政府の制度があるからだ。これがなければ、ケース1個あたり20ドル払わなければならなかった。
在庫不足とサンダリングハード問題
これまでのところ、在庫の維持がTinyPilot販売における最大の課題だ。現時点で、バックオーダーで販売できない日数の方が、在庫がある日数よりも長い。ある意味では「嬉しい悲鳴」であり、需要の高さを物語っている。別の意味では、注文のバックログを抱えるのはストレスがたまる厄介な問題だ。
在庫が潤沢なとき、注文のバックログとストレスレベルの関係はこんな感じだ:

在庫が十分にあるときは、注文を安定した落ち着いたペースで発送できる。
1日に数件の注文が入り、アシスタントが梱包してUSPSやDHLの集荷を手配する。実に気楽だ!
バックオーダーを抱えているときは、様子がまったく違う:

在庫不足のときは、注文が積み上がり、それらを素早くさばく必要があるため、全体的なストレスが増大する。
バックログがあると、すべてが難しくなる。安定して予測可能な作業の流れがある代わりに、何日も何週間も発送するものがなくなる。アシスタントが他にできる作業はあるが、一貫した少数の業務をこなすのに比べて、たくさんの単発的な新しい作業を二人で覚える方が、双方にとって時間がかかる。
今月、電源コネクタの在庫が少なくなってきたとき、利益率の高いキットの販売を続けられるよう、その商品をストア上でバックオーダー扱いにした。この戦略は有効だったが、履行プロセスは複雑になった。入った注文を順に処理するだけでは済まず、どの注文を保留し、いつ顧客に発送すべきかを追跡しなければならなくなった。
以前にも在庫不足には悩まされてきたが、そのときの解決策は、必要と想定するよりも多めに在庫を抱えておくことだった。問題は、TinyPilotの設計を何度か繰り返し、そのたびにいくつかのコンポーネントを変更してきたことだ。その結果、どのキットにも使われなくなったケーブルやケースが何百個もクローゼットに眠っている。eBayで処分することもできるが、出品と販売に4時間かけても200〜300ドルにしかならないだろう。それなら、4時間をマーケティングやプロダクトへの投資に使ったほうが、投資対効果は高いはずだ。
結局のところ、未対応の需要を積み上げるよりは、使わない在庫を積み上げておく方がまだましだ。
足踏み状態でも前進する
今月犯した最大のミスは、仕事への熱意が低下してしまったことだ。在庫不足の間はモチベーションを保つのが難しかった。追加で販売すればするほど、バックログがさらに深くなるだけだったからだ。仕事は続けたものの、最も役に立つことではなく、そのとき目についたことに手を付けがちだった。
電源コネクタは常に「あと1週間で届く」ように感じられた。9月1日の時点で、最初のロットが完成するのが3週間後だと分かっていれば、もっと良い戦略を立てられたかもしれない。でも、「今週何に集中すべきか分からないけど、来週には電源コネクタが届いて通常運転に戻るから大丈夫」とずっと思っていた。しかし初回ロットだったため、当然ながら予期せぬ引っかかりや遅延があり、その宙ぶらりんな感覚はほぼ1ヶ月間続いた。
最近見つけた素敵な会社
ソフトウェア開発者である私にとって、eコマースはまだすべてが新しい。TinyPilotを運営する中で見つけた便利な会社をいくつか紹介したい。どの会社とも提携関係はなく、単なる満足した顧客として紹介する。
Pirate Ship(自分で印刷する送料ラベルと集荷サービス):以前はUSPSのウェブサイトで送料ラベルを印刷していたが、政府のサイトらしく動作は遅く使いにくい。Pirate Shipなら割引されたUSPSの送料を購入でき、集荷も手配できる。ウェブアプリはキビキビしていて使いやすく、カスタマーサポートに連絡すると海賊口調で返事をしてくれる(本当だ)。無料なので、ビジネスでもプライベートの発送でも使っている。
Mercury(スタートアップ向け銀行):最近登記したTinyPilot LLCの口座を作ってくれる銀行を見つけるのに、驚くほど苦労した。大手銀行は、事業歴が浅く収入も少ないという理由で断ってきた。Mercuryは1週間以内に承認してくれ、ウェブインターフェースもすっきりしていて綺麗だ。バーチャルATMカードも提供しており、取引限度額を設定した追加のバーチャルカード番号を即座に作成できる。
Uline(段ボール箱):輸送用の箱が必要になったとき、当初はAmazonで「shipping boxes」と検索し、寸法が近いものを何ページにもわたって探していた。そこで気づいたのだが、箱だけを専門に売る会社があるのだ。UlineはAmazonより安く、ほぼどんな寸法でも注文できる。通常配送でも午後6時までに注文すれば翌日届き、送料も約6ドルしかかからない。
これまでのプロジェクト
ここでは、現在も維持はしているが、開発の中心ではないプロジェクトについて簡単に近況を報告する。
Is It Keto
| 指標 | 2020年8月 | 2020年9月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ユニークビジター | 49,981 | 44,751 | -5,230 (-10%) |
| 合計ページビュー | 125,599 | 110,922 | -14,677 (-12%) |
| ドメイン評価(Ahrefs) | 9.0 | 10.0 | +1.0 (+11%) |
| AdSense収益 | $202.46 | $161.06 | -$41.40 (-20%) |
| AdThrive収益 | $35.00 | $135.00* | +$100.00 (+286%) |
| Amazonアフィリエイト収益 | $129.88 | $83.03 | -$46.85 (-36%) |
| その他アフィリエイト収益 | $118.88 | N/A | N/A |
| 合計収益 | $486.22 | $379.09 | -$107.13 (-22%) |
* これは記憶に基づく推定値だ。AdThriveは契約を終了した際にダッシュボードへのアクセスをロックしたため、正確な収益は(うまくいけば)11月の支払いがあるまで分からない。
Is It Ketoは、TinyPilotに完全に注力しているため、やや低迷している。落ち込みの一部は季節的なもので、昨年9月にもスローダウンが見られた。
唯一の特筆すべきアップデートは、AdThriveからAdSenseに戻したことだ。AdThriveは高級な広告事業者だと聞いていた。月間10万ページビューに達したパブリッシャーだけと取引し、支払いレートはGoogle AdSenseより大幅に高いとされている。
AdThriveは失敗だった。Is It KetoがWordPressサイトなどの事前レンダリングされたウェブアプリではなくシングルページアプリであるため、広告を正しく表示させる方法が分からなかったのだ。AdThriveの広告はユーザーがページを閲覧している間にランダムに切り替わり、ページ上のテキストが跳ね回る原因になっていた。何度か苦情を言った末、AdThriveはついに広告の修正を諦め、契約を解除してくれた。
Zestful
| 指標 | 2020年8月 | 2020年9月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ユニークビジター | 324 | 333 | +9 (+3%) |
| 合計ページビュー | 841 | 849 | +8 (+1%) |
| RapidAPI収益 | $9.36 | $12.27 | +$2.91 (+31%) |
| 合計収益 | $9.36 | $12.27 | +$2.91 (+31%) |
Zestfulは相変わらず静かで、ほとんど存在感がない。最近、エンタープライズプランへの問い合わせはまったくない。従量課金制の利用が、バックグラウンドで静かに月10〜50ドルを生み出し続けている。
まとめ
何ができたか?
- 海外の顧客へ直接発送する方法を学んだ
- 当初はeBayのGlobal Shipping Programを経由していた。最初の解決策としては良かったが、eBayはすべてのやり取りをプラットフォーム内で行うことを求めるのが面倒だ。顧客に交換部品を送るような場合のまともな解決策もない。
- DHLやUSPSで直接発送するのは(やり方が合っていれば)それほど難しくないが、要件に関する情報を見つけるのがとてつもなく難しい。Googleで検索して出てくる結果は、国際配送をサービスとして売り込もうとする記事ばかりだ。
- この古く見過ごされてきた/r/Entrepreneurの投稿が、海外発送の方法をうまくまとめている。
- TinyPilotにいくつかの新機能を追加した
- TinyPilotのウェブサイトにショッピングカート機能を追加した
- 以前は、顧客が私にメールで手動で注文を作成してもらわない限り、一度に1つの商品しか注文できなかった。
- 再配布可能なTinyPilot ISOをビルドするプロセスを自動化した
- 以前は、新しいmicroSDに書き込み、TinyPilotをインストールしてからmicroSDのイメージを取得しなければならず、microSDを物理的にあちこち移動させる必要があった。新しい方法は100%ソフトウェアで完結するため、面倒さが90%減った。
学んだこと
- 海外発送は自分でやってもそれほど難しくない。
- 在庫は多めに発注し続ける。
- 足りなくなって販売が止まるよりは、多すぎる方がましだ。
- 一時的な事情で最も重要なことに取り組めないときでも、規律を保つ。
来月の目標
来月は先月の目標をそのまま再利用する。ただし、「…そして今度こそ、本気でやり切る」という暗黙の追記付きで:
- TinyPilotキットと電源コネクタを60個販売する。
- 新しいマーケティングチャネルを3つ試す。
- 7人のITプロフェッショナルにインタビューし、仕事でTinyPilotを使うか聞く。
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