現代のちょっとした迷惑――デジタル時計
今朝、オーブンの目覚まし時計が鳴らすビープ音で目を覚ましました。前日にオーブンの時刻を直そうとして、ボタンを押し間違えたのが原因です。その結果、正しい時刻を設定できなかったどころか、調理タイマーを設定してしまいました……そして、それが今日の目覚ましになったというわけです。
電子レンジにも時計を付けよう!
こういうことがあるたびに、なぜ最近の家電には一つ残らずデジタル時計が付いているのだろう、と考えます。電子レンジ、冷蔵庫、オーブン、食洗機、乾燥機、ミキサー……キッチンだけでもこれだけあります。
現代の家電には、デジタル時計が氾濫しています。なぜそうなっているのか、何度も不思議に思ってきました。そこで、私なりの一番納得できる推測を紹介します。
役に立たないデジタル時計をデザインに加えるほうが、時計を付けずにおくより簡単だからです。
ごく普通の電子レンジの操作パネルを担当するエンジニアになったとしましょう。電子レンジのチップにはデジタルタイマーが搭載されていて、食品が温まるまでの残り時間を表示するのにぴったりです。では、何も温めていないとき、そのタイマーには何を表示させればいいでしょうか。
それなら、現在時刻を表示すればいいのでは? 目立たないし、便利でもあります。
ただし、こうしたデジタル時計はかなり厄介です。
- 時刻がずれて、間違った時間を表示します。
- コンセントを抜いたり停電したりするとリセットされます。(誰もがすっかり見慣れてしまった、あの忌まわしい点滅する
00:00です。) - 夏時間と冬時間が自動で切り替わりません。(ドイツのみなさん、聞いていますか!)
そのため、私はいつも時計の面倒を見なければなりません。
秘密を一つ教えましょう。オーブンで何かを温めていないとき、現在時刻を表示してほしいわけではありません。コンロは電源オフでいてほしいのです。
我が家のオーブンの時計を設定するのに苦労する理由
我が家のオーブンには、時刻に関係するボタンが三つあります。プラス、マイナス、そして時計のマークです。時刻を設定するには、時計のマークを押します。すると矢印が現れ、表示が00:00に変わります。もう一度時計のマークを押すと、別の矢印が現れます。さらに二回押すと、時計のマークが点滅します。そこで、+と-のボタンを使って時刻を調整できます。その後、確定されるまで待ちます。簡単ですね!
問題は、操作と現実世界で起きる結果との間に、すぐに理解できる対応関係がないことです。この根底にある概念はマッピングと呼ばれ、インターフェースデザインで広く使われています。
機器に機能を追加するには、二つの方法があります。
- ボタンを増やす。
- 既存のボタンに新しい役割を覚えさせる。
方法1では美しいデザインが損なわれるかもしれません。一方、方法2ではユーザーがいら立つかもしれません。どちらも魅力的な選択肢ではありません。
我が家のオーブンでは、同じボタンに複数の機能を割り当てています。しかし、最もいら立たしいのは、機器ごとにマッピングが違うことです。オーブンの時刻設定を覚えても、食洗機には役立ちません。食洗機はまったく別のインターフェースを備えているからです。
まとめ
優れた工業デザインは、めったにありません。
製品に時計を付けても、おそらく付加価値は生まれません。よくても迷惑なだけ、最悪の場合は有害な誤解を招きます。
選べるなら、私は時計のない家電を選びます。今日の市場を見る限り、それは言うほど簡単ではありません。タイマー付きの製品のほうが大量に生産されているというだけの理由で、時計付きの機器のほうが時計なしのものより安い、とも考えられます。
これで、Steve Jobsが洗濯機を選ぶのに2週間かかった理由も理解できます。
どんなトレードオフを選ぶのか、家族で時間をかけて話し合いました。これについて、2週間ほど話し合ったのです。毎晩、夕食のテーブルで。
最終的に彼が選んだのは、デジタル時計のないMieleの洗濯機だったのだと思います。
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