Googleはパーセクの計算ができない
原文は Jeff Kaufman により に公開されました。 このブログを購読する
Daniel Druckerさんに教えてもらったのですが、Googleの電卓に面白いバグがあります。パーセクを使って計算すると値が間違ってしまうのです。
地球が太陽の周りを公転すると、近くの恒星は遠くの背景の恒星に対して前後にずれて見えます。恒星が近いほど、このずれは大きくなります。片目ずつ交互にのぞいたときに、近いものが遠くのものに対してずれて見えるのと同じことです。例えば、指を立てて右目で見ると、こんなふうに見えます:
左目で見ると、こう見えます:
地球が太陽の周りを半周する間(2天文単位離れた位置から観測したことになります)に恒星が2秒角(1秒角は1度の3600分の1)動いて見える場合、その恒星は1パーセク先にあるといいます。
これは2辺が残りの1辺よりはるかに長い三角形を定義することになるので、角度をラジアンで測る限り小角近似が使えて、1パーセクは「1天文単位 / 1秒角」と言うことができます。
[1 parsec in meters]と検索すると、3e16メートルという正しい答えが返ってきます:
インタラクティブな単位変換ツールは常に正しい値を返すようですが、何か計算を加えると、たとえ1を掛けるだけでも、別の処理が走って5e14メートルという間違った値が使われます:
これは57.3倍ずれていますが、これは非常に怪しい数字です! 1ラジアンに含まれる度数(180 / PI)と同じなのです。これは、パーセクの定義である「1天文単位 / 1秒角」を、秒角をラジアンではなく度で計算してしまった場合に得られる値です。
例えば、1 au / 1 arcsecond in metersは5e14を返します:
ところがパーセクで尋ねると1パーセクを返します:
どちらか一方ならまだ理屈は通りますが、両方が同時に成り立つことはありえません! 同様に、[1 meter / 1 degree]は「1 meter」を返します:
しかし[1 meter / 1 radian]も同様です:
おそらくこのバグは、角度を文脈に応じて度かラジアンか適切な方で解釈しようとする、ちょっと気の利いた処理にあるのだと思います。あるいは、度もラジアンも無次元量であることに混乱しているのかもしれません。いずれにせよ、「parsec」は「天文単位 / 度で表した秒角」に展開されてしまい、57倍ずれているのです。
パーセクは日常生活でお目にかかるような距離の単位ではありませんが、天文学者の誰もこのバグに悩まされていなければいいなと思います!
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