サビの意味が変わっていくカントリーソング
家族でノースカロライナに1週間ほどバカンスに来ていて、プールで過ごしている。そこでは妙に短いループのBGMが流れていて、She's In Love With The Boyを4回目に聴いたとき、これはカントリーによくあるパターンだなと思った。同じモチーフが繰り返されながら、ヴァースごとに色を変えていく手法だ。この曲では1番と2番で父親が娘に「あの男は釣り合わない」と言うのだが、3番で妻が、自分たちが付き合い始めた頃、自分の父親も夫に同じことを言ったのだと気づかせる。
同じような仕掛けを使った曲をいくつか挙げてみる。
Don't Take the Girl:8歳では釣り、18歳では強盗、23歳では出産の危機と、場面ごとに「連れて行かないで(don't take)」の意味が三通りに変わる。
Are You Gonna Kiss Me or Not:初めてのキスでもプロポーズでも尻込みするのは男の子だが、結婚式では立場が逆転して彼が仕掛ける。
Five More Minutes:小川で遊ぶときも、女の子におやすみを言うときも、フットボールチームでの最後の試合でも、そして(ここでがらりと雰囲気が変わって)祖父の病床でも、「あと5分だけ」という願いが繰り返される。
Skin (Sarabeth):抗がん剤治療を受ける10代の少女が、髪を風になびかせて恋人と踊る日を夢見る。最後のサビでは髪は抜け落ちているが、恋人は連帯して頭を丸め、二人は一緒に踊る。
Cleaning This Gun (Come On In Boy):10代の頃、彼女の父親から暗に脅しを込めた説教を受けた少年が、大人になって今度は娘の彼氏に同じ説教をする側に回る。
もちろん、この手法はカントリーに限ったものではない(例えばCat's in the Cradleでは、父親が子どもにかまう時間を持てずにいたら、大人になった子どもが今度は父親に時間を割いてくれなくなる)。ただ、このジャンルではとりわけよく見られる気がする。
記事をランダムに読む