靴、アルジャーノン、パンゲア、そして海の民
原文は Dynomight により に公開されました。 このブログを購読する
人々がAIなどの自動機械に尋ねる代わりに、よく知られた雑多な話題についてのブログ記事を読む時代は、もう終わりに近づいているのではないかと恐れている。だからチャンスを失う前に、よく知られた雑多な話題についてのブログ記事を書いておこう。
マラソンは馬鹿げた速さだ
人々が今やマラソンを2時間強で走れることは、たぶん知っているだろう。だが、それがどれほど異常なことか分かっているだろうか。
それは平均時速21.1km、時速13.1マイルという速さだ。1マイルを4分35秒で走ることに相当する(世界記録:3:45)が、それを26.2回連続でやるようなものだ。あるいは、100メートルを17.06秒で走ることに相当する(世界記録:9.58秒)が、それを421.6回連続でやるようなものだとも考えられる。この記事を読んでいる人のうち、100メートルを17.06秒で一度でも走れるのは半分くらいではないかと思う。
この驚異的なマラソンの速さは、主に人間が走ることにうまく適応しており、総じて粘り強いからだ。だが、その一部は2010年代後半に登場したカーボンファイバープレート入りの新しいシューズによるものでもある。
このシューズの背後にある理論はなかなか面白い。走るとき、主に4つの関節を使う。
- 股関節
- 膝関節
- 足関節
- 中足趾節関節
最後の名前を聞いたことがなければ、発音は「メット・ア・ターソ・ファ・ランジー・アル」あるいは「MTP」だ。これは足の中で親指の付け根の奥にある関節のことだ。
名前が作り物っぽく聞こえるだけでなく、実用的な意味でも他の関節とは違うのだ。他の関節はすべて大きな筋肉や腱につながっており、走っている間バネのように伸びてエネルギーを返してくれる。これにより一歩ごとに消費されるエネルギーの約60%が回収できるとされている。(カンガルーはさらにうまくやっているらしい。)しかしMTP関節につながっているのは小さな筋肉や腱だけなので、そこに注ぎ込まれたエネルギーはほとんど失われてしまう。
これらの新しいシューズは、フォームとプレートを複雑に組み合わせた構造で、MTP関節と同じ役割を果たしつつ、MTP関節とは違ってそのエネルギーを蓄えてランナーに返してくれる。最近のメタ分析では、これによって総酸素消費量が約2.7%、マラソンのタイムが約2.18%短縮されると推定されている。
アルジャーノン
このシューズは、アルジャーノン論法を検証するテストケースとして役に立つのではないかと思う。一般的にこの論法は、人間を劇的に賢くするような単純な技術は存在しないはずだ、というものだ。もしそんなものがあったら、進化の過程ですでに発見されているはずだから、というわけだ。
同じ論法を走ることに当てはめることもできる。私たちは進化によって徹底的に走るのが得意になるよう最適化されてきたのだから、私たちを劇的に速くしたり効率的にしたりするような「簡単な」技術など存在しないはずだ、という具合に。
シューズに限って言えば、この論法の出来は……まあまあ、といったところだろうか。シューズが確かに役立つのは間違いない。だが、カーボンファイバープレートを作るのはかなり難しく、得られる恩恵もささやかなものだ。アルジャーノンは越えられない「壁」というより、急な「坂」なのかもしれない、という証拠と言えるかもしれない。
あるいは、思考はそもそも走ることとは違うのかもしれない。走り始めれば、確実に上達し、その成果は他の多くの身体能力にも波及していく。だが、練習すれば他の認知課題まで上達するような認知課題は、どうも存在しないように思える。
もし僕を2.7%賢くしてくれる靴があるなら、ぜひ買いたい。
パンゲア
パンゲアは、地球上のほぼすべての陸地を含んでいた超大陸だった。2億年前のジュラ紀の始まりにそれは分裂し、やがて現在の大陸が形成された。でも、地球は45億年前にできたのではなかったか。なぜ陸地はその95%もの長い間くっついたままだったのに、突然分裂したのだろうか。
定説では、そうではなかったとされている。むしろ地球は超大陸と分散した大陸の状態を周期的に繰り返しており、パンゲアは単に最も新しい超大陸に過ぎないと考えられている。
では、なぜそんな周期があるのだろうか。これは二つの問いに分けて考えることができる。
まず、なぜ分散した大陸が融合して超大陸になるのか。地球を大きな岩石の球だと考えてみよう。その熱の半分は惑星が形成されたときの原始的な熱、もう半分は放射性崩壊によるものだ。表面は宇宙空間にさらされているため冷え、固い塊となって上部マントルの温かいマグマの上を滑るように動く。塊の中には他より密度の高いものもあり、それらはマントルの中にやや沈み込み、水に覆われる。だから「陸の塊」が「海の塊」に衝突すると、陸の塊はその上に乗り上げる。だが、二つの陸の塊同士が衝突すると、互いに押し合って山脈となり、くっつき合う傾向がある。
これは、現在のプレートをすべて示したこちらの地図と、

こちらの標高の地図を比べるとよく分かる。

では、一度超大陸ができたら、なぜそれが分裂するのだろうか。陸の塊は海底に比べて厚くて軽い。そのため、毛布のように惑星内部の熱を閉じ込めてしまう。冷たい海底が下の温かいマグマの中へ沈み込むことがなくなると、そのマグマはどんどん熱くなっていく。数千万年も経つと、あまりに熱くなって上の陸地を引き伸ばし、ついには引き裂いてしまうのだ。
新たな超大陸「パンゲア・ウルティマ」は2億5000万年後に形成されると予想されている。その頃には太陽の放射エネルギーは約2.3%増加し、さらに暑くなっているだろう。加えて、極めて複雑な理由から、パンゲア・ウルティマは大気中のCO₂量を大幅に増加させ、地球を哺乳類が住めない惑星にする可能性が高いと考えられている。まあ、そういう未来が待っているわけだ。
エジプトと海の民
海の民は……どこから来たのかよく分からない集団で、紀元前1200年頃に東地中海に現れ、現在のトルコからエジプトに至るまで破壊の爪痕を残した。彼らは青銅器時代後期の崩壊の原因か、あるいはその一症状だったと考えられている。
だが、エジプト人が襲撃を受けている最中にその状況を彫刻に残していることを知っているだろうか。当時の戦いは、どうやらこんな様子だったらしい。

碑文の中で、ファラオのラムセス3世はこう報告している。
わが境に至りし者、その子孫は絶え、その心と魂はとこしえに滅びたり。海上に集いし者どもについては、港の入り口の前では炎がその前面となり、岸辺では金属の壁が彼らを取り囲めり。彼らは引きずられ、覆され、浜に倒れ伏し、ガレー船の船尾から船首まで殺されて積み上げられ、その所有物はことごとく水の上に投げ出されたり。
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